荒天予想 と 避航、避泊
(オペレーション編)
われら海族 Index
1.荒天予想と避航動作 オペレーション担当の皆さん、 能を把握して、最適進路、速力を決定するのです。 難しいのは直接的なその避航動作のように思えるが、そうではない。前者それを導くための予想なのです。こんな気象予報士紛いの芸当ができたのは、世界の海を何年もまたにかけたグレートキャプテンでしか在り得なかった。 「そんあことあるかい!」と、 しましょう。巨大船ではないDW15000t級、ondeckに重量物を満載している。下の天気図でどうするか決めて下さい。 この天気図は9月の天気図だとして下さい。22N 140E付近と、24N 164E付近の低気圧は台風です。さあ、この情報だけで、どうぞ。 |
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できましたか? ほう、それは相当すごいです。驕りが! 気象予報士さんほど勉強してるならざしらず、こななもんでなにゃわかんのよ。と、私は思う。 せいぜい日進路が予想つきません。そうです。台風の現在までの軌跡がありません。私が意図的に抜いているからです。これでは、さすがの自称グレートキャプテンでも手も足も出ない筈なのですけど。??? さあ、いよいよ上の天気図にマウスオンしてください。 ・台風の進路 ・Wave height/Direction ・Wind Barbs ・ わない。できたと言ったあなた! 本当にここまで予想できていたのですね?と言いたい。 今この時代、世界の海 る。何より台風の予想コースが格段に信用でき、荒天範囲も手に取るようにわかる。さらにはその画面上で、本船の航行をシミュレートできるのだから、その昔最も重要視された船長の経験知識に匹敵するものが、今は簡単に得られるのである。 一方、本船の現在の状態(性能・現海象)は本船船長で
話を本筋に戻そう。要 進路が迷走することなどの負の要因が追加されたことに反して、細かい情報が得られるという良い傾向もあるので、やや複雑化している。それでも、動作は大別して、行くか(このままコースを保つか)、行かないか(時化を避けるか)しかない。しかし、どちらにしても、その明確な根拠が必要になる。
@Aに 。たったこれだけのことです。上記が頭に入っていれば、誰がやってもだいたい があるからこそ問題と解答が作れます。) 具体例 日本近海において台風に遭遇することが予想され、いわゆる避航しなければならないとするときは、大きくわけて一般的に二つのルートが る航海中と、これとは逆に (2)南方から日本に向けて北上しつつある際である。よく台風の左半円は可航半円であるといいますが、それは(1)の場合であって、(2)の場合はしんどい。 日本近海から南方 に航法も変わってきていますね。 「頑な」考えは、より危険を生みます。的確な状況判断をお願い致します。冷静かつ多角的に、そして柔軟に考えなければなりません。 関連ページ:台風避航編 (CPやGeneral instructionにも「最短距離を航行する」や早回しの協力について書いてあるが、船長の権限に勝るなどとは書いてない)船長は己で本船の閾値を決めて判断しているのですから。たとえチャータラーであったとしても、そこへ持ってきて船長に「行けるじゃないか!」ではないのです。「こういう風に考えますがそちらの状況はどうでしょうか?」 船長が理論に同意すれば行ってくれるかもしれないし、これこれこうで採用できないのですよ。という回答をもらえるかもしれない。それ以上なにものでもない。 ) たまーにいますよ。これ以上走れないからどうすればいい?なんて船長が。しかし、それは稀です。 明日からの荒天避航においてこれらをご活用下さることが、私の本懐です。自分で考えられること、それが必ず安全につながります。 |
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2.台風と本船との相対運動計算(例) | |||||
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3.日本国内における外国籍船の荒天避泊について |
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内地での荒天避航やバース待ち等で、必ずと言っていいほどの勘違いがあります。 「バース待ちが5日間ありますので、道すがら○○でアンカーさせていいですか?」 「このまま行けば、5m高波域があるので、道すがら○○湾でアンカーさせます。」 などです。 ら「緊急入港だ」と言っても認めらるはずがないのはわかって戴けますね。 ただ、「進航方向に荒天域があって、このまま航海すれば荷崩れや、転覆等の危険が予想されるので、入れてもらえませんか?」は許可される場合があります。 時期や状況、理由など正当性の判断がなかなか難しく、 上記の関連法規は 港則法10条、26条、29条、31条、37条 特定港85港(水深があって外国船が常時出入する港)で、港長は航行の制限、禁止、移動制限、港外退去を命令できる。などと書かれています。 第4条 外国船舶の船長は、領海内等において停留等を伴 留(アンカーでなくDriftingでも)等をさせる必要があるときは、外国船の名称、船籍港、停留等又は通過航行させようとする理由等を最寄の海上保安庁事務所に事前通報しなければならない。 と、船長への通報義務を課している。 *しかしながら、前文でも紹介したとおり、台 限り海上保安庁に拒否される。と考えておいた方が無難。(これは日本人が乗っていてもです)横浜コーストガードレディオ(3管)などは特に顕著である。 よって「Waitingのための錨泊だ」などと口が裂けても本船に言わせてはならないということになります。なるものもならなくなる。 オペレーション業務として船社(運航者)から保安庁 やって、なんの不都合があるのかと、私は思う。 根拠:「領海等における外国船舶の航行に関する法律」に書かれた事前通報 る。と、書いてあります。 しかし、運航会社には のエライさん(元船長)もいます。 「本船船長が保安庁に連絡するのが鉄則だ」などと言って聞かない。(そうではない) 「必ず相談せよ」という割に、本船が現場で困り切っていても、オペレーションの女性が の欠片もない。逃げる。 保安庁は上記によって本邦籍を優先すると高を括った人も多いし、また必ずしも オペレーションをしているし、全 かの詳細を日本語で事前情報として入れてやって頭を下げれば、保安庁も深慮してくれる場合があるのです。 (ただし、保安庁との交渉は社の立場がある人でないと耳を傾けてくれない傾向がある。当然です。) |
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付録 日本の顕著な岬等Map フィリピン周辺の重要海域 日本国内の避泊地 日本近海の避泊地 |
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