S/F ストウェージファクター
われら海族 Index
その人は官庁の部員上がりの一航士だった。出身官庁のキャップをいつも被り、「二言目には○○庁では・・・」と始まる。そんなに好きなら辞めんかったら良かったやんと思ったものだ。 久、会社に悪意ある報告をするなど、数々の意地悪をされたなあ。内航船ではこういった人が少なくない。 荷役事務室に入ると、なにやら見慣れない表がパソコンの横に掲示してある。 左欄縦に、Hatch No.と容積。それから右にFull、80%、70%、50% などとあって、その交錯するセルに容積とハッチコーミングから(上から)何m隙間がある。みたいなことを書いてある。S/Fを明示していない。私が不思議そうに見ていると、その偉いお方は、 比重の単位はg/cm3で、これをトン換算して t/m3 と書いても間違いではない。一方、ストウェージファクターの単位はFt3/LTで、 さあ、本題に入ろう! プロである。貨物関連で比重などと掲げて恥をかかないよう気を付けたい。 積付係数 ストウェージファクターとは、 1.、 2. 表した数値(単位M3/MT) の2種類がある。 整数で出されたS/Fはまずもって1.の(ft3/LT)と思って間違いないが、念のため単位を確認してほしい。ごくたまにft3/MTとされているときもある。 ・S/Fは、重く。Lower Holdだけで してしまう。 (鋼材10〜20ft3/LT) Steel Sheets 18〜20、billets & bar 12〜16 ・S/Fは、軽い。ハッチ口までいっぱいに でこない場合もある。 (穀物 45〜60ft3/LT) eal 54〜60 をすればわかりやすい。 1LT= 1容積トン トル法で表した重量単位目metric tonを表していて、 は使わないので注意してください。) S/F活用法(初心者編)を説明しよう。 @ S/F80の貨物があったとしよう。これを1500t積載する 3345M3 A 以下のHoldにS/F 45(ft3/LT)の貨物を満載すると、何MT積載できるか? 満載できる貨物重量 = ・Capacity Planには以下のように書かれている。
ストウェージファクターとHold Capacityの単位を合わせれば極簡単に計算できる。 1) 本題のS/Fはft3/LTで示されているから、 2) ホールドのブロークンスペースを考慮 %とする。 20977MT どうしても を使用したいという頑固な方は、ストウェージファクターを換算しなければならない。 = 20973MT (1の位で誤差が出ているが換算するときの小数点の取り具合である。) また、 ホールド容積をft3換算しなければならない。 1容積トン M3表示に35.32を乗じてft3を求める |
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ストウェージファクター応用編 S/Fの違う貨物を積みつける。 在来船では、 ニカーッと笑っている。相当運賃が良いなどの特殊な事情があれば別だが、普通それでは儲からない。 重量貨物と容積貨物の最適積載量は計算で概略求めることができる。 Aの (例) 載貨重量トン(Deadweight)が23550tで、Billet (S/F 0.30m3/t )とCKD:Car Knock down(S/F 3.30m3/t)を混載する。重量&容積を満たす最適量はいくらになるだろうか? CKDの 容積は、 CKD = 6578 x 3.30 =21707.4(m3) Billet = 16972 x 0.30 = 5091.6(m3) 21707.4 + を満たす究極の積載方法となるわけだが、集荷状況がこれだけ整って貨物を積載できることは奇跡に近い。しかしながら、在来船においては、 (悪い例) 1) 容積は17715/267800=66%となっている。 2) 重量は13300/23550=56%となっている。 |
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