船級の役割

われら海族 Index


保険料は貨物を優良な船に積むことを前提として決められているので、そうでないものについては保険料が高くなる。船級は海上保険の必要性から堪航性を担保するために設立されたものです。船級がなくても運航は出来るが、現在では、保険の他、荷主の信頼や船舶の売買などのための国際標準としても必要で商船に採用される。

「優良な」とは、運航にかかるあらゆる規則に適合した安全な船ということになる。船級協会は、船の建造時から船体・機関、電気、安全属具等が規則や一定の水準に適合していることを検査する。合格したものには船級符号を附与し、船級登録の後、証書を発行する。船級証書の有効期間は5年で、就航後は定期的に検査し船級を維持する。民間団体である船級協会は、検査において不合格または不適合を発見したからといって国土交通省のように船舶を拘束・停船を命じたりできない。
なので外板に穴が開く、エンジンがかからない等の物理的に困難な場合を除いて、Tank topに穴が開いたなどで船は止まらない。仮修理だけで動けるのである。
船級協会は、単に「出来るだけ早時期(次のDockまで)に是正」などと @勧告したり、A証書を出さない、B管轄官庁に報告するなどの処置をするのみである。よって、船(主)は勧告を拒否することも可能であるが、まあ後々の事を考えればそれは得策でない場合が多い。

船は、船舶安全法に規定された船舶検査(5〜6年に一度の定期検査及びその中間に行われる中間検査)を受けなければならないが、(NK)船級を受けていればその(船級)検査結果が準用されて船舶検査証が国土交通省から発行される。
また、船級協会は国際条約や法の基準を満たしているかを検査、審査、認証して船籍国から与えられた権限に基づき証書を発行する業務も行う。例えば、MARPOL条約、STCW条約、SOLAS条約、ISMコードの認証などで、PSC検査実施時にはこれらの確認によって適合が認められる。船級協会は、

LR Lloyd‘s Register ロイド船級協会
NK Nippon Kaiji Kyokai 日本海事協会
AB America Bureau of shipping アメリカ船級協会
BV Bureau Veritas フランス船級協会
DNV Det Norske Veritas ノルウェー船級協会
など、
その他たくさんがあって、船主がどの船級協会を選ぶかは船主の自由となっている。それに船籍国は関係ない。(マニラ船籍のBVクラス、パナマ船籍でNKクラスなど。)

JG(国土交通省)も船級だが、外航船に適用できない。


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