港費とコストセーブ

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以下に示されるようなものを港費と総称していますが、料金はどこの港も似たり寄ったりですので、わかりやすいよう例を挙げて算出して見ました。総トン数14,500t、純トン数 7,000t、喫水 7.7mの外航船が大阪港に寄港する場合を示す。(2017年現在)

*危険物の300t以上は、内航船で1000t以上
*フェリーなどの内航定期船は上記の規定から除外される。
*船長について当該水域で4回(関門は6回)以上など、航海実歴が認められる者には、操船シミュレーター講習を含む所定の手続きを経ることによって強制水先が免除されることがあります。現在1200名以上の認定者がいる。


コストセーブを考える

荷役が長引き、出帆時間が2200になったとしますと、当然いろいろな港費に割増料金がかかってきます。
翌日の出帆とする方が随分とコストセーブできる(勿論、次港の荷役時間に間に合わなければなりませんし、岸壁が空いていることも必要です。)ことがわかります。

内航・外航に関係なく、船長は、代理店または運航者(契約上、滞船料がらみなどで割り増しを払ってでも行かねばならないこともある)とよく相談して出帆時間を決定しなければなりません。


荷役終了後すみやかに出港

内航船に乗船しているとき、その船はいつもイケイケドンドンでした。荷役が終わったら何時でも即出港、FULL SPEEDで目的港まで走り、2〜3日アンカーして待つ。運送契約はどんなものですか? 港費のコストセーブや燃料の節約は考えないのですか?と聞いたが、「おまえはなにも知らないなあ?内航では499でも荷役が終わったらみんなすぐに出帆してFULLで走るんだ!」と鼻で笑われたので、それ以上言わなかったが回答になっていなかったなあ。
航行指針やCPにはだいたい「荷役終了後すみやかに出港する」と書いているが、これを鵜呑みにしているのだろう。通常、その前後の文章の中で「運航者の指示に従って」とか、「状況を鑑みて」とか、それなりの注釈があったりもする。
この船長は「俺は水先人なしで着けているから毎港会社を儲けさせてやっている」と、ひつこいくらい何度も何度も言っていた。内航ではSelf Pilot料込みの船長給料になっているようだ。これはあまり良いことではないが、一方、水先料以外には興味がないようで、上記のような港費の事をほとんど知らなかったし、この船のオペレーション担当もあまり考えてないようだった。
びっくりしたが、知らないことはできないなあ。あまりに勿体ない。


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