元請の憂鬱と大罪U
(荷役上の貨物損傷事故による損害賠償について)
われら海族 HOME
パレッタイズ(63ct/PL)のレモン揚げ荷役途次、荷役用ゴンドラが本船のハンドレールに接触したことにより、4PLのレモンを転倒落下させる事故が起こったとします。(以下、筆者の危惧を含めた仮定で話しを進めます。) 当然弁金問題が発生します。 元請であるA社はこの責任をA社の実質下請けである港湾作業会社B社の が、金銭と書類の授受により商売として不足なくなりたっている。元請A社は荷主にばれずになんとか方をつけたということになる。法律上も問題ないだろう。 |
||
しかしながら、ここで皆さんは気付かれたでしょうか? 市場価格では大きな差があります。 そこで、元請A社はその差額の全てをを港湾作業会社B社に穴埋めさせようと企て模索します。しかし、根拠がない。 「港湾の慣習」、 には「社間の力関係が作用するから」など訳のわからない理由を並べてもB社が納得するはずもありません。 |
||
1CT、2CT を潰した弁金だと言うなら、それこそ社間の力関係を多少考慮してB社も目をつぶることもあろうが、 の荷役料金にも迫る額となるためだ。 保険求償と支 に記載される荷主の請求書となっていない。 ・INVOICE価格以外の部分で利益供与が発生しているのではないか。 ・隠蔽工作によって賠償額が高騰したのではないか。 3. 元請責任の明確化 ・許容範囲の設定 ・損害の元請負担(例:一律30%、または営業面から負担しなければならない部分) ・荷主に対する賠償軽減の交渉。 ・事例及び金額によっては荷主の貨物海上保険で求償せしめる。 (免責額は事故当事社が当然負担する) |
||
さて、それでは解説していきます。 一般港湾運送事業者と港湾荷役事業者との関係の中に、厳密な損害賠償の額や限度を取り決めた約款等はほとんどなく(まずこれが問題なのだが・・・)、港頭地区での慣習として損害の実費請求を基礎としている場合が多い。 (損害賠償の額) 第12条の2 運送品に関する損害賠償の額は、荷揚げされるべき地及び時における運送品の市場価格(商品取引所の相場のある物品については、その相場)によつて定める。ただし、市場価格がないときは、その地及び時における同種類で同一の品質の物品の正常な価格によつて定める。 2 付されるときは、船荷証券に記載されている場合には、適用しない。 6 前項の場合において、荷送人が実価を著しくこえる価額を故意に通告したときは、運送人は、運送品に関する損害については、賠償の責を負わない。 7 第5項の場合において、荷送人が実価より著しく低い価額を故意に通告したときは、その価額は、運送品に関する損害については、運送品の価額とみなす。 8 前2項の規定は、運送人に悪意があつた場合には、適用しない。 (参照:2004/9/22現在の1計算単位SDRは1.465454USDです。) 一方、商法では 送品ノ一部滅失又ハ毀損ノ場合ニ於ケル損害賠償ノ額ハ其引渡アリタル日ニ於ケル到達地ノ価格ニ依リテ之ヲ定ム 但延著ノ場合ニ於テハ前項ノ規定ヲ準用ス 3 運送品ノ滅失又ハ毀損ノ為メ支払フコトヲ要セサル運送賃其他ノ費用ハ前2項ノ賠償額ヨリ之ヲ控除ス 運送人が、本運送証券の下で、賠償責任を負う場合の請求金額は、荷主の送り状価額に支払済の運賃及び保険料を加えた金額を基礎に調整されるものとして、いかなる場合も、運送人は利益の損失やそれに基づく損失に対して一切の責任を負わない。 ここにA社がB社に求めた賠償金の話をからめて少々ややこしくしてみよう。 例えば、 会社には荷主の利益を含んだ市場価格で算出するのか? という矛盾が生じる。 また、CIFで えても、一般港湾運送事業者と直接の当事者たる港湾荷役事業者の損害補償は、契約金額(INVOICE価格+当該荷役料金)を上限とし、通常かつ直接の損害についてのみを補てん額とするのが尋常であると言え、逸失利益までを賠償対象とすることに懸念を示した港湾荷役会社B社からのクレームは妥当であると考えられる。 したがって、 なかったところに落ち度があるように思われる。 次に荷主が加入する保険についてであるが、 今回の貨物が全てCIFであったことから、貨物に海上貨物保険が件かけられていたことは必至であって、それらはオールリスク、分担担 了することになっているはずである。つまり、積込み、荷卸しまたは積替え中の貨物の墜落・横転による一個毎の全損に起因する損害は求償範囲である。したがって、乙仲A社が隠蔽工作を施さず、荷主にありのままを話せば、それらは容易に担保されたのではないかと指摘されても反論の余地はない。 単なる逃げ口上に過ぎず、法律的根拠やその他確実な裏打ちがない漠然とした発言は、全く説得力が無い。「ならば、営 元請け責任を回避し、 及び公正取引の確保に関する法律」(いわゆる独占禁止法)の”優越的地位の濫用”に抵触するおそれがあることも付記しておきます。 (ついでに・・・・・公正取引委員会は独占禁止法第2 今後は荷主の横暴が厳格に咎めらるという具合ですが、同時に乙仲の中にも今尚下請け関連事業等に責任転嫁する卑怯な手だてを使う会社があるならば、当然改善されなければならないところにきている事を、深く認識する必要があると言えます。) これらの観点から、事故についてはINVOICE価格(CIF)を基本として い。それ以上を望めば優越的立場からの強要になる可能性も有り得る) またもう一つの方法は、事故による損害の求償を INVOICE価格以外のものまで包括するような保険に切り換えるものであるが、これはそれ相当の加入金額高騰のリスクを負わなければならないことになります。 |
||
※使用されている写真と本文は一切関係ありません。 |
||
元請の憂鬱と大罪 T | ||
![]() |
||
![]() |