GMDSSとその免許制度

われら海族 Index


GMDSS (Global Maritime Distress and Safety System)
SAR条約、SOLAS条約のもと、GMDSSは、



その搭載要件は、
@NAVTEX受信機(518kHz)
MFを利用して航行警報




距離(インマルサットでカバーできない地域にも有効)で


但し、遭難警報(呼出し)については[DISTRESS] ボ

BEPIRB(406MHz)
衛星非常用位置指示無線標識。装置が約4m沈むと


インマルサットを使った直接印刷電信システム(音声通話はできない)。インマルサットCから1.5GHzで受信し、船舶局からは1.6GHzの周波数で送信で

D捜索救難



E双方向無線電話装置
救命艇に持ち込む携帯式VHFで形状はトランシーバー型。Ch15、16、17を備えている。(生存艇に持ち込む)


FAIS(Automatic Identification system)船舶自動識別装置
AIS の装備を義務付けられている船舶は、
(1) 国際航海に従事する300 総トン以上の全ての船舶

(3) 国際航海に従事しない500 総トン以上の全ての船舶


GSSAS


(*1kHz=1000Hz, 1MHz=1000,000Hz, 1GHz=1,000,000,000Hz)

遭難船が救助船・航行船・海岸局にとるべき対応 


GMDSS採用でSTCW条約も改正され、2002年以降は専業としての無線士(長)の乗船義務がなくなった代わりに甲板部当直職員に無線資格が必須となった。ROC(Restricted Operation Certificate)として、国際航海に従事する船舶には、一級海上特殊無線技士(旧国際無線電話)、国際航海に従事しない船で二級海上特殊無線技士(旧無線電話甲・乙)ということになっていて、操作範囲は、共に「空中線電力50W以下の無線設備で25010kHz(25MHz)以上の周波数の電波を使用するもの」というところで、チャンネルの全てが156.xxxMHz滞のVHFを操作できる。
ただし、




なんでこんなややこしいことになっているかと言うと、


だから、この三級海技士(電子通信)は、三海通の免許、船舶無線従事者証明書の取得(所定の講習修了後申請)、航海士の免状と半年の乗船履歴があれば国家試験は身体検査のみで免状がもらえる。

ここに不条理もある。
例えば、長く船員を辞めていた人が、また船に乗ろうと長い講習を受けて免状を復活させる。三海通も国家試験で取る。無線従事者証明も講習を受けて発行してもらった。しかし履歴が切れている(15年間乗船していない)と、いくら海技免状があっても三級海技士(電子通信は)受験できない。それが当初の私だなあ。(笑) 
内航のセーラーでもいいから半年乗って来いと門前い。なんか矛盾があるように思う。船員へのカムバックしたい者にとって、この半年の履歴が大きなハードルとなっている。拒んでいるとしか思えない。



尚、三級海技士(電子通信)のLIMITATION APPLYINGに書かれているC/R : On board Maintenance / Unpermitted & Not on boarded Maintenance


船員の英語能力

ところが三級海技士の英語がどうも怪しい。航海士ならまだしも、残念ながら三級は近海区域において結構大きな船の船長までできるから具合が悪い。
@関門海峡を通過中の話だが、第二航路北口に差し掛かった頃、前に遅い外船がいたので追い抜こうと速力を上げた。その瞬間VHFで本船を英語で呼び出しはじめ、三級船長が受話器をとった。
Where are you going?
・応答しない。



A官庁上がりの一航士(三級)だったが、混乗船で
「タイム メニメニ ハブな、それでナウ  ミィ ソウ ゴウな、アフター ユウは、 カミングで OKか?」
(私は先に行くが、時間はたくさんあるから、あなたはあとで来てください。と言いたかったらしい) 
私はびっくりした。

これらの背景には国家試験システムの改悪があるように思う。


*昭和58年の乙長&甲二の免状


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