賃貸借契約としての用船
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用船(傭船)契約などの意味を調べると、 「荷主や運航業者が船主とかわす運航形態(契約)」や、「大きく分けて、裸用船、定期用船、航海用船の3つがある」などと書かれていたりするからよくわからなくなる。 用船は船を借りるという広義である。誰が誰に?という観点で考えるとわかりやすい。基本的な用船は、大きく分けて 1.荷主と運航者間で行うもの 2.船主と運航者間で行うもの の2つの形態になる。運航者は船主から用船した時点で、荷主からは船舶所有者(船主)とみなされるが、紛らわしいので、ここでは単に運航者とする。 船主と運航者が行う賃貸借契約としての用船 船主(Owner)と用船者(Charterer)が結ぶ賃貸借契約である。これは双方が海運事業者であって、船を借り受ける側の用船者は、運航を担当する運航者(Operator)である。運航者は荷主と運送契約を結んだり、再度用船に出したり(Sub-let)して生業とする。 ・船主は船費(船員の配乗・潤滑油・船価償却・金利・ドック/修繕/船用品等の船舶管理等)を請負い、用船者は運航費(燃料費、港費、荷役資材費等)を負担する。 ・用船料=借船料(船主からすれば貸船料)summer重量トン/dayで換算される。 ・契約により異なることもあるが、運航者(用船者)は揚積港、航路選定など船舶の使用に関する命令権を有し(その結果生じた事故については船主への補償を免れない)、船主は堪航性(Seaworthy)・船長の職務など、航海に関する指揮命令権を有す。 定期用船(Time Charter) 運航者が、船主から(船員を乗組ませた)船を一定期間借り受けて運航する。 運航者の採算は[運航損益=運賃―(運航費+用船料)]で、船主は用船料(賃料)を得る。 Long Time Charter:10年など比較的長いスパンで用船するもの Spot Charter:事故等突発的なことにより急遽船腹が必要になった場合、単発的短期間に利用される。
裸用船(Bare Charter) 運航者が船主から船舶のみを一定期間借り受け、自社の船員を乗組ませて運航する。 運航委託(Operating Agreement) 船主自らが採算[運航損益=運賃−(運航費+船費)]をとっているが、集荷能力が高い船社等に運航業務のみを委託して、対価に手数料を支払うもの。 |
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