海図 CHART
(改補・チャートワーク)
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BA版チャートNo.2279 (大阪港一部抜粋) | ADMIRALTY NORTICES TO MARINERS (水路通報) |
海図の種類と改補 チャートは日本版、アメリカ版、カナダ版などと色々あります。その中でも、全世界の水域を包括しているイギリス(BA)版が最もポピュラーです。これに比べ日本版はチャートも水路通報も日本語で書かれていますから、見やすいですし改補しやすいのですが、近海区域までしか発行されていませんので、遠洋区域を航行する船舶には不向きとなります。 チャートは、それがいつ改補(CORRECTION)された物であるかが非常に重要です。原版には必ず右下部に最終改補日が記載されているので、それ以降の内容改正には、航海士自らが水路通報によって、訂正・添記・削除、改正図を貼付することで改補します。(水路通報にもそのチャートがいつ小改正されたものであるかを記載してある) この仕事は二等航海士の担当です。 現在、車でGPSをお使いの方にはよく経験があると思います。「あれ? 橋が画面にない。」、「道路が工事中?」など購入後の変化は画面に映し出されませんね。車では多少融通が利きますが、船では非常に危険です。例えば「燈台の灯質が変っていた。(変針点を間違える)」、「航路が工事中だった。(衝突・乗り上げの可能性が有る)」、「軍の演習海域がある。(撃たれても文句を言えない)」など様々な事を改補しておく必要があるのです。新しいのを買えばいいじゃないかと思われるかも知れませんが、海図は1枚3,000〜4,000円もします。勿論あまり古くなれば買い返えますが、水路通報が出る度(1ヶ月に1度)にそんなことをしている航海士はすぐに下ろされます。 参考書などを見ますと。「水路通報が出たら、それを熟読し新資料を積載海図全般にわたり改補する」と書いていますが、実際の話、そんなことをやっている船はほとんどないでしょう。(定期航路の船は別です。) ワールドワイドで航海する船には1,500〜2,000枚の海図を積んでいますから、それをを二等航海士一人でやっていたら、時間がいくらあっても足りません。 (逆に言えば、使用する可能性の低いチャートを改補することは、時間の無駄。あまり賢いやり方とは言えません。しかしながら、船によっては、また違うやり方もありますので、前任者のやり方を引き継ぐ方がやりやすいこともあります。) |
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(sample) 1063 MEXICO, Pacific Ocean Coast-Chametla to Sun Blas and Isla Maria Madere-Lights Amend light
to, Fl.6s.52ft,10M 22°32′0N.,
105°46′0W Chart [Last
correction]. - 2323 [ 1062/03 ] 991 PERU-Malabrigo-Submarin Pipelines; Dolphins; Landmark; Legend; Note Insert the
accompanying block, showing amendments to submarine Chart [Last
correction]. - 3092 (plan D, Malabrigo)
[ 248/03 ] |
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NOTICES TO
MARINERS の中身(抜粋サンプル) |
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現在では、電子チャートが発展(法定備品)し、2等航海士はこんなことをほとんどやらなくなっているのではないでしょうか? それが2航士をちょいの間にして一航士に早く昇進させる理由の一つとなっているようですが、そんな仕事がある無しより、2航士の期間中に様々な一航士と乗って、よくその人たちの仕事を覚えることが非常に重要です。3-5年二等航海士をやってない人は、ちょっと怪しい一等航海士かと、同様、一等航海士の履歴が5年以下の方などもそれ相応の船長かと、私は思います。 名刺に騙されないよう、陸の方も海の方もご注意ください。 |
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井上式三角定規 | |
井上式三角定規 | 井上式三角定規アップ |
井上式三角定規の最大の特徴は、直角三角形の定規の方にあります。60度の角を作る長辺(斜辺)と短辺に方位角を記してあることです。これは非常に利用価値があります。
通常、チャートには何ヶ所かにマグネット方位と真方位を示した図式があります。測定した方位を書き込んだり、コースラインを引いたりする場合に使用するためです。しかし、方位図式が測定物の近くにない時には、二つの定規を使って滑らせながら、大事にその方位を持ってこないといけません。(よくずれます) 初めて練習船に乗った学生さんなどは、四苦八苦しながら、こんなことをしています。(誰にでも経験があるはずです。私もそうでした。) |
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直角三角形の底辺部が角度を示す | でも、井上式三角定規を使えば、経度線をつかって、チ |
ャート上のどの位置であっても、方位線を簡単に得ることができます。既存の経度線の上方(北側)に直角三角形底辺部に記された十字を合わせ、経度線の下方(南側)に斜辺または短辺に刻まれた得たい角度を合わせますと、底辺部がその方位を指してくれます。こうすれば、ほんの少し定規を滑らせるだけで、方位線を引けますから、誤差も少なくなります。
チャートワークを見れば、「その若い航海士がどの程度できるか」が、だいたい判断できますね。 |
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現在は、電子海図表示システムECDIS(electolonic chart display system)が主流となっています。ログやGPS、レーダー、AISと連動したチャートをコンピュータ画面に表示させるもので、上記したアナログ的なものとは一変しています。非常に便利なものになっている。 ただし、Type Specfic訓練と言って、各メーカー(JRC、TRANSAS、FURUNO、TOKYOKEIKI)の機種ごとに訓練を受けなければならないので、航海士は大変です。新しい機種が出たら、また受け直しだそうです。 船の免状は、船種にかかわらず汎用性があるものとして特徴づけられていたはずだ。船自体がそうなのに、たかが航海計器一つで、「なんでや?」という話だ。不満が高まっている。 もし、一機種一訓練の前提があるなら、その計器に問題がある。それこそメーカーどうしで基準を作成して大部分を統一し、汎用性のあるものにすればよいと、私は思う。 この頃は、航海士の負担が大きすぎやしないか? それに、なんやかや言うて講習だ。休暇を削ってから・・・せめて給料を1.5倍にしなさい!とも、私は思う。 |
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